Harunobu Boston From the Museum of Fine Arts

春信を知らずして浮世絵は語れない!

お知らせ

  • Eテレ「日曜美術館」放送予定!

    日曜美術館「錦絵誕生! 浮世絵師 鈴木春信」
    放送予定:10月1日(日)午前9時/再放送 8日(日)午後8時
    http://www4.nhk.or.jp/nichibi/
  • 千葉市美術館で開幕しました。
  • 展覧会の構成ページをUPしました。
  • 公式サイトをオープンしました。

 鈴木すずき春信はるのぶ (1725?‐1770)は、 錦絵にしきえ創始期の第一人者として知られる浮世絵師です。この展覧会では、質・量ともに世界最高の春信コレクションを誇るボストン美術館の所蔵品から、選りすぐりの作品を展観します。

 若い恋人たち、母と子、さりげない日常、古典主題から発想された見立絵みたてえ・やつし絵など、春信は小さな画面の中に詩的で洗練されたイメージを豊かに表現しました。江戸の評判娘や名所を主題に取り入れ、錦絵の大衆化に貢献したことでも知られています。

 本展では、ボストン美術館の豊富なコレクションにより、春信の活躍の様子をほぼ網羅してご覧いただけるでしょう。同時に関連作品も展示し、この浮世絵師を育んだ時代の気風を伝えます。

 希少な春信の作品は、ほとんどが海外に所蔵されることから、日本国内で作品を見る機会は非常に限られています。本物と出会える最高の機会を是非お楽しみください。

アクセス

春信を日本で見るのは難しい

現存する春信作品の8割以上が海外に所在しており、日本で展覧会を開くのが最も難しい浮世絵師といえます。

世界で唯一確認される作品など、希少作品の数々

錦絵草創期の明和期(1764-72)を中心に活躍した春信の作品は、1図あたりの残存数が極めて少なく、今回の出品作の中には、世界で1枚あるいは2枚しか確認されていない作品も含まれます。

美しい保存状態

春信の頃の錦絵は、植物から作られた絵の具が中心で、特に紅による赤、紅と露草(青花)の混色による紫は、光によって退色してしまうことが知られています。ボストン美術館が所蔵する浮世絵版画は、長く展示されることがなかったため、多くが良好な状態に保たれてきました。
日本での出品が叶う今回のため、今後も良好な状態を守るべく、里帰りの前後各5年、合計10年間ボストン美術館でさえ展示をしないことが条件となっています。

世界一の春信コレクションはボストンに

ボストン美術館には、600点以上の春信作品が所蔵され、世界一のコレクションを誇ります。
このうちの半数以上を占めるスポルディング・コレクションは門外不出、たとえボストン美術館であっても展示されることはありません。
今回はそれと並ぶ質量を誇るビゲロー・コレクションより選りすぐりの作品を展示します。

はじめての里帰り品も

今回出品される作品の約8割が、ボストン美術館に収蔵されて以来はじめての里帰りとなります。

春信の鑑賞ポイント

  • 鈴木春信とは

    多色摺の美しい木版画、すなわち錦絵が始められた明和期(1764-72)に活躍した浮世絵師です。主に美人画を描き、一世を風靡しました。神田白壁町に住み、平賀源内とも交流があったと伝えられています。生まれた年はわかりませんが、明和7年(1770)6月に急逝したと伝えられています。

  • 錦絵の誕生

    春信の時代に至る以前には、筆で彩色をしていたり、2、3色程度の素朴な色摺の版画(紅摺絵べにずりえ)しかありませんでした。ところが武家や裕福な商人の間で流行した絵暦えごよみ 交換会をきっかけに、多色摺木版画技法が発達し、錦絵が誕生したのです。

    プロローグ、第1章
  • 隠された主題

    春信には古典の物語や故事、和歌を題材に、江戸の今の光景に置き換えて描き、原典の主題を察して読み解く楽しみを与えてくれる見立絵・やつし絵と呼ばれる作品が多くあります。

    第2章
  • 男女の恋を描く

    若い男女の恋の姿も春信はよく描いています。男女共に華奢で可憐な姿で描かれ、その性別がにわかに区別できないほどですが、肉感的な生々しさを感じさせないのが春信美人のスタイルです。

    第3章
  • 日常の幸福

    さりげない日常の光景、母と子の触れ合い、子どもの遊び、季節の移ろい、家事をする姿など、穏やかな生活の光景も多く描かれています。これらの作品は、江戸という都市に暮らす安心感と幸福感に満ちているようです。

    第4章
  • 評判娘と錦絵の大衆化

    誕生したばかりの頃の錦絵は、主に裕福な趣味人に向けて制作されていたようですが、春信は明和5年(1768)頃から江戸に実在する美人で評判の娘を主題とすることによって大衆の人気を得て、錦絵を普及しました。

    第5章
  • 時代の寵児

    春信の美人画は一大ブームを巻き起こします。明和期(1764-72)に活躍した他の絵師たちも、こぞって春信の美人画に倣い、没後に至るまでその画風は慕われました。

    エピローグ
  • 紙質の良さを味わう

    比較的裕福な層が主な享受者であった春信の作品では、高級な奉書紙ほうしょがみが用いられています。紙の白さや風合いも美意識の一つであり、特に要所に施された空摺からずりは、厚みのある高級紙ならではの見どころです。

  • 鈴木春信《見立玉虫 屋島の合戦》中判錦絵2枚続のうち左 明和3-4年(1766-67)頃 Bequest of Miss Ellen Starkey Bates, 28.195
  • 鈴木春信《見立三夕 寂蓮法師》中判錦絵 明和4年(1767)頃 William Sturgis Bigelow Collection, 11.19455
  • 鈴木春信《女三宮と猫》中判錦絵 明和4-5年(1767-68)頃 William Sturgis Bigelow Collection, 11.19508
  • 鈴木春信《見立渡辺綱と茨木童子》中判錦絵 明和4年(1767)頃 William Sturgis Bigelow Collection, 11.19494
  • 鈴木春信《飛ぶ雁を見る二美人》中判錦絵 明和4-5年(1767-68)頃 William Sturgis Bigelow Collection, 11.19458
  • 鈴木春信《子どもの獅子舞》中判錦絵 明和4-5年(1767-68)頃 William Sturgis Bigelow Collection, 11.19466
  • 鈴木春信《「水仙花」 炬燵で向き合う男女》(部分) 中判錦絵 明和6年(1769)頃 William Sturgis Bigelow Collection, 11.19513
  • 鈴木春信《八ツ橋の男女》(部分) 中判錦絵 明和4年(1767)頃 William Sturgis Bigelow Collection, 11.19462
  • 鈴木春信《六玉川 擣衣の玉川》中判錦絵 明和5年(1768)頃 William Sturgis Bigelow Collection, 11.19469
  • Photographs © Museum of Fine Arts, Boston
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